出世コースから外れました。

出世コースから外れたリーマンが仕事以外の楽しみを綴ります。

10番目の男

山口県周防大島町で行方不明になった2歳の男の子が、

捜索3日目の早朝に、捜索のために大分から駆け付けた

78歳のボランティア・小畠さんによって発見され、

無事に家族の元に変えることが出来ました。

 

ボランティアの小畠さんは、東日本大震災をはじめ様々な被災地の

ボランティア活動に参加されている素晴らしい人物みたいですね。

 

この喜ばしいニュースを知った時に、

私はブラッド・ピットが主演した『ワールド・ウォーZ』の一場面を

思い出しました。

 

それは、『10番目の男』理論です。

『10番目の男』理論とは

ある情報が入って9人が同じ結論を導き出したとしても
最後の10人目はその結論に反論する義務があるというものです。

 

実際にはそのようなものは、イスラエルの習慣にもユダヤ教の教えにもないそうですが、

劇中では、

イスラエルがインドでゾンビが人を襲っているとの情報を無線傍受した時に

大勢が誤報と考える中、その理論があったおかげで、

政府高官の一人が襲撃に備え、壁を築き

イスラエルはゾンビの襲撃に備えることができた。

というシーンがありました。

 

今回の小畠さんは、まさに「10番目の男」だったんなと思いました。

 

恐らく、小畠さん以外にも捜索に加わったボランティアや消防団も大勢いたでしょうが、

ほとんどの人が警察の指揮下のもと、依頼された捜索範囲を探していたと思います。

 

しかし、小畠さんは独自に、自分の経験を元に、

警察が様々な情報から導き出した捜索範囲(結論)とは、別のエリアを捜索しました。

 

その結果、10番目の男が見事に子供を救出するに至りました。

 

おそらく、確率で言えば10番目の男の結論が正解のことは少ないでしょう。

しかし、今回のような捜索のようなものは、

このような「10番目の男」理論は使ってもいいのではないかと思います。

 

具体的には、捜索部隊の1割を有力とされる捜索範囲とは
異なる範囲の捜索をさせるということです。

 

今年のゴールデンウィークに起きた五頭山で遭難し、

残念ながら亡くなった親子は、

当初考えられていた捜索範囲とは別のところで見つかりました。

 

亡くなられた親子は低体温症が死因であったのではないかと

報道されていました。

少し前の事故なのでうる覚えですが、たしか遭難されてから二日目から

急激に気温が下がったと記憶しています。

なので、恐らく二日目の夜に低体温症で亡くなられたとすると

10番目の理論で、たとえ1割の人員が警察の考える捜索範囲とは別のエリアを

探していたとしても救出できなかったかもしれません。

 

しかし、遭難や行方不明などは想定外の行動により起きてしまうことを

考えれば、

得られた情報により導き出した最適な結論が正解とは限らないと思います。

 

こういった10番目の男になれるのは、警察の指揮下にないボランティアの方々だと思います。